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古在先生はTAMAプロジェクトの代表者としてTAMA300の実現に多大な貢献をされました。TAMAプロジェクトは国立天文台がホスト機関となって我が国の重力波に関係する研究者たちによる共同プロジェクトとして進められ、国立天文台三鷹キャンパス内にレーザー干渉計型の重力波検出装置であるTAMA300を建設して、当時の世界最高感度での長時間安定運転によって1000時間以上の探査観測データの取得に成功しました。TAMA300での成果と経験は現在建設中のKAGRAに引き継がれています。

TAMAプロジェクトの遂行上いろいろな段階で財政上のサポートをはじめ多方面からの理解と支援を得る必要がありましたが、そのとき古在先生の人脈と信用が大いに助けになりました。

古在先生はTAMA300の研究に従事した若手研究者や大学院生たちの活躍と成長ぶりを大変喜ばれ、その後の活躍にも期待されていました。

また、古在先生は重力波国際委員会(Gravitational Wave International Committee:GWIC)に初期メンバーとして参加され、国際間の技術的交流だけでなく、国際間での同時観測や共同データ解析にも理解を示され、国際観測網の形成による重力波天文学の確立を期待されておりました。TAMA300の後継機であるKAGRAへの期待と支援も続けられ、重力波の初観測とその後の重力波天文学の進展には喜ばれつつもKAGRAの実現が間に合わなかったことを残念がっておられました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

国立天文台重力波プロジェクト推進室

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  • 元国立天文台長の古在由秀先生が2月5日にお亡くなりになりました。
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